671426 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

イタリアいなかまち暮らし

イタリアいなかまち暮らし

【食品】:本当にここは美食の国か?

食材、食品:本当にここは美食の国か?

カンポバッソという町は規模はわりと大きいにもかかわらず感性が田舎くさくて、専門店もみな同じものを同じように同じ値段で売っている。物にバラエティがなく貧相である。まあ南イタリアというところは全体的にそんな感じなのだがこの特殊な町はそういう特徴が凝縮されているというか、イタリアの典型的な山村を性格はそのままで規模だけ大きくしたようなというか。

食べ物も伝統的なものだけを伝統的な作り方で作っていて、あまり工夫とか改善されているとは思えない。パン屋のパン、生パスタ屋の生パスタ、肉屋の肉などは他の大きな町より品質が劣ると思う。劣るといっても私の主観であって、手作りにこだわり古いやり方ほど良いと思う人たちにはこれが「黄金」なのだろう。

しかし客観的にもプロフェッショナリティの欠如なのか、単に手抜きなのか、作る人も売る人も本当にまじめに仕事をしていないと思わせられることも少なくない。
というのは商店で明日が賞味期限のものを定価で売っていたり、パン屋でからからに乾いたパンを売っていたり、肉屋でもスーパーでも骨付きの肉を買ったら、さばいた(叩き割った?)ときの骨のかけらがざらざらとくっついてくることなど。

野菜と来たらさらにひどい。古くなって傷みかけたボロの様な物を平気で売っている。八百屋もスーパーもだ。茶色くなってしおれたレタスを、傷んだ外側の葉っぱだけ剥いて売っているのだ。毎日ちょっとづつ剥いていってるに違いない。多くの野菜は入荷したときから完売するまで、あるいは全て完全に傷んでしまうまで新しいものは入荷せずに売られている。おかげで買い物は何を買うか決めずに行って、その日たまたま新鮮だったものだけ買って帰る習慣が身に付いた。

たしかにこっちの野菜は日本の野菜と違って形も大きさもそろっていないし、泥がついていたり虫が食っていたりしてもっと生々しいというか、野菜は生き物であると感じさせられる。こっちの野菜に比べたら日本の野菜は非常に作りもの的な感じがする。だから見た目が汚いのはいいんだけど、見るからに古いものを売るのはちょっとなあ・・・

「でもこっちの野菜はなんでも味が濃くておいしいよね」相方に言ってみると
「それはイタリアの土と太陽のなせる業であって、消してイタリア人のおかげではない」
・・・確かに。


次へ


© Rakuten Group, Inc.